| 更新日 12月01日 |
| 「下落リスクは極めて少ないが上昇レートも鈍い可能性」 CADは昨年春一時的に対USDではパリティを回復する場面もあり、夏にかけてパリティに近いレベルで推移したが、リーマンショックで急落した。その後は徐々に回復し略昨夏のレベルに回復している。一方、対円相場は円USDクロスレートの円高が影響し、リーマンショック後は今年8月がピークでその後はやや弱含んでいる。 カナダ経済は徐々に回復に向っている模様であるが、足取りは余り早くない。主因は、同国の貿易依存率の70%を占める米国の景気が回復しつつあるものの後ずれ感が広がっており、特に雇用情勢の悪化が想定外とも言える状況であることを反映し個人消費が低迷している為、カナダの輸出回復が遅れていることにある。即ち本年のカナダの輸出見通しについては、年初頃の△16%程度からは多少上方修正されたものの現在でも△14%の大巾減である。輸出については、前年既に△4.7%減であった為2年連続の大巾減となり同国経済への大打撃となる。輸出の減少は、企業の設備投資減少を招き同国の本年の民間固定投資は前年比△10.6%減でこの結果失業率も前年実績の6.2%から8.3%に悪化すると予想されている。 更に雇用情勢の悪化により民間最終消費支出は前年の+3.0%から0%に低下する。但し本年初頭は水面下になるとみられていただけにカナダ経済が多少回復していることを窺わせる部分もある。この外、全般的には先進国比遅れ気味な要因の一つは今般の景気後退により推定1.1%の鉱工業生産が落込んだ為大量の余剰生活能力が発生したこともあると見られている。この様な経済情勢の為同国の本年のGDP成長率は△2.7%と先進国の中で最悪の部類に属し、特に他先進国の多くがプラス成長に転じると予想されている本年第4四半期についても△1.8%のマイナス成長となる見込みである。但し雇用情勢について失業率が遅行性の関係で主要国は明年の方が今年より悪化すると予測されているのに対し、カナダは0.5%程度改善すると見られており明年の景気回復は相対的に早くGDP成長率も+2.5%と比較的良好な状況と予想されている。 また政治的には同国のハーパー政権は下院の過半数155議席に12議席足りない少数政権ではあるが、2008年9月前回総選挙で16議席増加させ国民の支持が比較的強いことが証明された為安定感を増しており少数政権のリスクが少ない。結局CADは景気については、現状不芳ながら今後の改善が期待されることや政治的なリスクが少ないことを考慮すれば下値不安は少ない。一方当面米国と同水準である政策金利0.25%が引き上げられる可能性はなく、加えて米国の隣国で関係も極めて深いことからドル離れの受け皿にはなり難い。したがって当面の相場レンジは、対USDでは1CAD=0.90〜1.00USD、対円では1CAD=78.50〜88.50と予想する。 |
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慶大卒 |
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