ダイヤル式宅配ボックスはトラブルが起こりやすい?
宅配ボックスには大きく分けて「ダイヤル式」と「電子式」の2種類があります。
ダイヤル式は配達員が荷物を入れる際に暗証番号を設定し、通常は施錠されていない状態です。受取人はポストに投函された配達通知書を見て暗証番号を確認し、ボックスを開けます。
電源を使わないため電気代はかからず、電子式よりも導入コストが低いのが魅力です。しかし、暗証番号の記載ミスで開けられない、毎回番号が変わるため手間がかかるなど、利用中に発生するトラブルも少なくありません。
一方、電子式は配達員が操作パネルを通して荷物を収納し、受取人はカードキーや暗証番号で解錠します。操作手順に従えばスムーズに受け取れるためトラブル発生率は低く、セキュリティ面でも優秀です。ただし、ダイヤル式に比べると導入費用は高めです。
賃貸の宅配ボックスでよくあるトラブル事例4選
荷物が届かない・見当たらない
「配送状況が『配達済み』になっているのに、宅配ボックスに荷物がない」という場合、次のような原因が考えられます。
- 配送会社の誤配達
- 荷物の盗難
- 他の入居者による誤受け取り
指定時間を過ぎても荷物が届かない場合は、まず配送会社に連絡して誤配達の有無を確認しましょう。追跡番号があれば調査がスムーズです。
もし「配達完了」なのに荷物がない場合は、盗難の可能性もあるためすぐに管理会社や警察へ相談し、防犯カメラ映像の確認を依頼します。
暗証番号で解錠できない
暗証番号を入力しても宅配ボックスが開かない場合、主な原因は以下の通りです。
- 配送会社の暗証番号入力ミス
- 電子式ボックスの電池切れ・センサー不良
- 入力ミスや操作ミスによるロック
ダイヤル式では暗証番号の記載間違いが多く、電子式では機器不具合が原因となることもあります。
再入力しても開かない場合は、配送会社に正しい番号を確認し、電子式の場合は管理会社へ故障確認と解錠依頼を行いましょう。
荷物が宅配ボックスに入らない
家具や家電などの大型荷物は、ボックスのサイズに収まらず持ち戻りになるケースがあります。
特に賃貸物件ではボックスが小型のことが多く、大型荷物は対応できません。
不在票が入っていたら、再配達の日時を指定するか、配送会社の営業所や受け取りスポットで受け取るなど、柔軟に対応しましょう。
開け方がわからなくなった
ダイヤル式では暗証番号を忘れたり、控えを紛失すると解錠できなくなります。
焦って何度も番号を入力するとロックがかかる恐れもあります。
このような場合は、管理会社や管理人に連絡して解錠を依頼します。マスターキーや解除手順を持っている場合が多いため、速やかに対応してくれるでしょう。
暗証番号はスマホのメモや暗号化した形で保管しておくと安心です。
宅配ボックスが空のまま施錠されている
これは、配達員が再配達防止のために意図的に空のボックスを確保する「空ボックスキープ」の可能性があります。
発見した場合は、配送会社に事実確認を依頼し、今後の対応を求めましょう。直接配達員に指摘するとトラブルになる恐れがあるため、必ず会社を通じて報告することが望ましいです。
また、管理会社と協力して監視カメラ設置や利用ルールの見直しを行うことで、防止策につながります。
宅配ボックスがあるメリット6つ
宅配ボックスは、不在時の荷物受け取りをスムーズにするだけでなく、防犯やプライバシー面でも大きなメリットがあります。ここでは、賃貸物件に宅配ボックスがあることで得られる主な6つのメリットを詳しく見ていきましょう。
不在時でも荷物を受け取れる
日中は仕事や外出で家を空けることが多い方にとって、宅配ボックスは非常に便利です。
配達員が荷物を宅配ボックスに入れてくれるため、帰宅後にすぐ受け取ることができます。再配達の依頼をする必要もなく、受け取りのために予定を空けておく必要もありません。
在宅時でも非対面で受け取れる
在宅していても、家事やテレワーク中で手が離せない時、体調が悪い時など、玄関まで出たくない場合があります。
そんな時も、事前に宅配ボックスでの受け取りを指定しておけば、配達員はインターホンを鳴らさずに荷物を入れてくれます。
非対面での受け取りは、感染症対策にもなり、対面でのやりとりが苦手な方にも安心です。
再配達を減らせる
宅配ボックスを活用すれば再配達の依頼が不要になり、配達員の負担軽減にもつながります。
現在、再配達の有料化が検討されているため、将来的には再配達依頼が有料になる可能性もあります。宅配ボックスがあれば、その負担を避けられます。
荷物の損傷や破損リスクを減らせる
宅配ボックスは頑丈な作りで、雨風から荷物を守ることができます。
玄関先や共用廊下に置かれる「置き配」よりも安全で、荷物が濡れたり破損したりする可能性が低くなります。精密機器や壊れやすい商品も安心して受け取れます。
盗難やいたずらを防げる
宅配ボックスは鍵や暗証番号で施錠されるため、第三者が簡単に荷物を持ち出すことはできません。
「置き配」のように誰でも触れる状態にならないため、盗難や中身のいたずら防止にも効果的です。
防犯・プライバシー対策になる
特に一人暮らしの女性にとって、宅配ボックスは防犯面でも大きな安心感があります。
配達員を装った不審者と直接接触するリスクを減らせるほか、自宅に誰が住んでいるかを知られにくくなります。
また、住人の在宅・不在が外部に分かりにくくなるため、防犯対策としても有効です。
宅配ボックス利用の注意点・デメリット4つ
宅配ボックスは便利ですが、使い方や制約を理解しておかないと「使えなかった…」という事態も起こり得ます。
ここでは、知っておきたい4つのデメリットを解説します。
入れられない荷物がある
生鮮食品や冷凍品、現金書留、代金引換の荷物など、宅配ボックスに入れてはいけない品物があります。
誤って入れると品質が劣化したり、トラブルの原因になるため注意が必要です。
荷物のサイズが合わない
家具や家電など大型の荷物は、ボックスに入りきらず持ち戻りになるケースがあります。
マンションによっては複数サイズのボックスが設置されていることもありますが、大型荷物は直接受け取るしかない場合も多いです。
重量制限がある
宅配ボックスには重量制限があり、一般的には20~30kgを超える荷物は入れられません。
業者によっては重すぎる荷物をそもそも宅配ボックスに入れないルールもあるため注意が必要です。
家賃や共益費が高くなる可能性がある
宅配ボックスは設置や維持にコストがかかるため、賃貸物件では家賃や共益費に上乗せされる場合があります。
利便性とのバランスを考え、費用負担も含めて検討しましょう。
配達会社と管理会社の連絡先の探し方
宅配ボックスでトラブルが発生した場合、まず原因が「配達側」なのか「設備側」なのかを切り分けることが大切です。
暗証番号の不備や誤配達などは配達会社、ボックス自体の故障や鍵の不具合は管理会社が対応します。
それぞれの連絡先は、以下の手順で確認できます。
不在票をチェックする
- 不在票には、配送会社名、担当営業所の電話番号、再配達依頼方法が記載されています。
- 最近ではQRコードやURLが印字されており、スマホで読み込むと再配達や問い合わせがそのまま可能です。
- 不在票が見当たらない場合は、荷物の追跡番号を控えておくと確認がスムーズです。
公式サイト・公式アプリを利用する
- ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便など大手配送会社は、公式サイトやアプリから配送状況の確認ができます。
- 追跡画面には「担当営業所の連絡先」や「問い合わせフォーム」へのリンクが表示されることもあります。
- アプリを使えば、チャットサポートやAI応答で24時間問い合わせが可能な場合もあります。
配送会社のカスタマーサービスへ直接連絡する
- 電話やメールで問い合わせれば、配達員や配送経路の情報を確認してくれます。
- 荷物が見つからない場合は、配送記録や防犯カメラ映像の確認を依頼できます。