賃貸の新築はやめた方がいいと言われる理由
新築マンションやアパートは「設備が最新」「綺麗で気持ちいい」という魅力がある一方で、注意すべきデメリットもあります。ここでは「なぜ新築賃貸はやめた方がいいと言われるのか」代表的な理由を4つ解説します。
家賃が相場より高く設定されやすい
新築物件は「新品」という付加価値があるため、周辺の築古物件と比べて家賃が割高になる傾向があります。
例えば、同じエリアで築10年の物件が月9万円程度で借りられるのに対し、新築だと11~12万円以上に設定されているケースも珍しくありません。毎月数万円の差は、年間で考えると大きな出費になります。
また、家賃が高いと「その分の満足感を得たい」と期待値が上がるため、実際に住んでみて「思ったほど便利じゃない」と感じてしまう人もいます。生活費や貯金に充てられる金額が減ってしまうリスクもあり、慎重に検討する必要があります。
内見できないことが多い
新築物件は竣工前から入居者を募集するのが一般的です。そのため、実際の部屋を見ずに契約を決めなければならないケースが多くなります。
パンフレットや図面では日当たりや部屋の広さが良く見えても、完成後に入居して「思ったより狭い」「隣の建物が近くて日差しが入らない」と後悔することもあります。特に眺望や音の響き方などは、実際に確認しないと分かりません。
契約前に気になる点は、必ず不動産会社に質問し、可能な範囲で説明を受けることが大切です。
入居時期や立地が希望と合わない場合がある
新築だからといって、必ずしも立地が良いとは限りません。むしろ建設コストの関係で「駅から遠い」「スーパーやコンビニが近くにない」など利便性に欠けるケースもあります。
さらに、新築物件は入居開始時期が竣工後に限定されるため、タイミングの調整が難しい点もデメリットです。例えば「現在の賃貸の退去日と新築の入居可能日が数日ずれてしまう」場合、一時的にトランクルームや仮住まいを確保する必要が出てきます。
生活の利便性や引越しのスケジュールを考えると、立地や入居可能日が希望と合っているか事前に確認しておくことが重要です。
じっくり検討できない
新築物件は「新しい」というだけで人気が集まるため、募集が始まるとすぐに申し込みが入ります。特に春の引越しシーズン(1~3月)に竣工する物件は、完成前にほとんど埋まってしまうこともあります。
大学進学や就職を控えた人が短期間で物件を決めなければならず、十分に比較検討できないまま契約してしまうケースも少なくありません。結果として「もっと条件の合う物件があったのに…」と後悔につながることもあるでしょう。
新築の賃貸物件に住むメリット
新築の賃貸物件には「最新」「清潔」「安心」といった魅力が詰まっています。ここでは、新築に住むことで得られる代表的なメリットを解説します。
最新設備が整っている
新築賃貸の最大の特徴は、最新の住宅設備が導入されている点です。単に「新品」というだけでなく、近年のライフスタイルに合わせた便利な機能が取り入れられています。
たとえば以下のような設備は、新築物件でよく採用されています。
- 宅配ボックスや24時間利用可能なゴミ置き場などの共用設備
- 省エネ性能の高い最新エアコン
- 浴室乾燥機や温水洗浄便座といった快適な水回り機能
- オートロック、防犯カメラ、ディンプルキーなどのセキュリティ設備
- リモートワークに対応できる高速インターネット回線
これらの設備が備わっていることで、日々の生活が効率的かつ安心になります。また、モダンな内装デザインやアクセントクロスを取り入れたおしゃれな部屋も多く、住むだけで気分を高めてくれるのも魅力です。
清潔感がある
新築物件は、誰も住んでいない「真っさらな状態」から生活を始められます。床や壁には傷や汚れがなく、水回りも新品。衛生面に敏感な方にとって大きな安心材料となるでしょう。
特にキッチンやバスルーム、トイレなどの水回りは、前の入居者の使用感がないため、清潔で快適に使えます。また建材や配管も劣化していないため、入居後しばらくは衛生的な環境を保ちやすい点もメリットです。
修繕や設備トラブルのリスクが低い
築年数の古い物件では、水漏れ・雨漏り・エアコンの故障など、修繕が必要になることも少なくありません。しかし新築物件は建物も設備も新品のため、初期段階ではこうしたトラブルのリスクがほとんどありません。
結果として、余計な修理費用や不便を感じることなく、安心して暮らせる期間が長いのも大きなメリットです。
希望条件に合う部屋を選びやすい
新築賃貸は、竣工時に一斉に複数の部屋が募集されます。そのため、築古物件のように「空室が少なく条件を妥協する」という状況が比較的少なく、自分の希望条件に合った住戸を選べる可能性が高いのです。
たとえば以下のような希望に合う部屋を探しやすい傾向があります。
- 角部屋や最上階
- 日当たりの良い南向き住戸
- 間取りや収納が広めの部屋
「立地・間取り・部屋位置」など、こだわり条件を満たす部屋を選びやすい点は、新築賃貸ならではの強みといえるでしょう。
新築賃貸物件を探すときに押さえておきたい5つのポイント
新築の賃貸物件は魅力が多い一方で、人気が高く競争率も高いため、効率的に探すコツを知っておくことが大切です。ここでは、新築物件を見つける際に役立つ具体的なポイントをご紹介します。
築浅物件も選択肢に入れて検討する
「どうしても新築に住みたい!」と思っても、募集数自体が少ないため条件を妥協せざるを得ないこともあります。そこでおすすめなのが、築3~5年程度の築浅物件も候補に入れることです。
築浅物件は設備や内装がまだ新しく、生活感も少ないため、新築に近い快適さを得られます。そのうえ、家賃が新築より抑えられるケースもあり、より条件に合った物件が見つかる可能性が高まります。
家賃相場をリサーチして予算感を把握する
新築物件は一般的に同エリアの築古物件よりも家賃が高く設定されています。そのため、事前に相場を調べておくことが必須です。
具体的には、不動産ポータルサイトで「最寄駅・間取り・専有面積・築年数」を揃えて比較すると相場感をつかみやすいです。あらかじめ調べておけば、割高な物件かどうかを冷静に判断でき、家賃交渉を行う際の参考にもなります。
募集開始前から情報収集をスタートする
新築物件は竣工前から入居者募集が始まることが多く、完成後すぐに満室になってしまうケースも珍しくありません。
そのため、希望エリアの不動産会社にあらかじめ相談し、建築中物件の情報を押さえておくことが大切です。募集が始まると競争が激しくなるため、早めの情報収集が理想的な部屋を見つける鍵になります。
実際に物件周辺を下見して雰囲気を確認する
写真や図面だけでは分からない情報は多いため、気になる物件は必ず現地を確認することをおすすめします。
たとえば以下の点は現地でしか分かりません。
- 窓の向きや建物の位置による日当たり
- 周辺の治安や生活環境(ゴミ置き場の状態は要チェック)
- 物件周辺に騒音や嫌悪施設がないかどうか
特に「相場より安い物件」には理由が隠されている場合もあるため、現地でしっかり確認しておくことが安心につながります。
競争率が高い場合は仮押さえを検討する
新築物件は人気が集中するため、内見前に契約が埋まってしまうことも珍しくありません。そのため、気になる物件があれば仮押さえをして検討時間を確保するのも一つの手段です。
仮押さえは「契約の意思を示す」ことで、他の人に先を越されないようにする方法です。地域や管理会社によって対応は異なりますが、可能であれば有効活用すべき仕組みです。