初期費用とは
賃貸契約時に入居者が支払う費用の総称が「初期費用」です。物件・地域によって異なりますが、以下のような構成が一般的です。
| 項目 | 概要 |
|---|---|
| 敷金 | 家賃滞納や原状回復費用等の保証金。退去時に未使用分が返還されることが多い。 |
| 礼金 | 大家に対する謝礼。返却されない費用。 |
| 仲介手数料 | 不動産会社が仲介業務を行った対価。法的上限あり。 |
| 前家賃・日割り家賃 | 入居月家賃、あるいは日割り精算分。 |
| 保証会社利用料・保証料 | 保証を利用する際の初回保証料・年更新料など。 |
| 火災保険料・家財保険料 | 入居時に一定期間分を一括で支払うことが多い。 |
| 鍵交換費用・設備費用 | 鍵交換、クリーニング代など。 |
| その他諸費用 | 連帯保証人手数料、管理費・共益費、町会費など |
クレジットカード払いに対応した賃貸物件もある
近年では、賃貸契約の初期費用をクレジットカードで支払える物件が増加しています。
特に大手の不動産管理会社では、オンライン決済システムを導入しているケースも多く、来店せずに契約手続きを完結できるようになってきました。
また、物件検索サイトの中には「クレジットカード決済対応」物件を絞り込める機能を備えているものもあります。
クレジットカード払いを利用すれば、分割払いやポイント還元が受けられるなど、家計の負担を軽減しつつお得に支払いができる点もメリットです。貯まったポイントを家電や旅行に使えるのも嬉しいポイントといえるでしょう。
ただし、すべての賃貸物件でクレジットカードが使えるわけではありません。
特に個人オーナー管理の物件などでは、カード決済に対応していないケースも多いため、契約前に不動産会社へ対応可否を確認しておくことが大切です。
クレジットカードで支払うメリット・デメリット
クレジットカードで支払うメリット
カード払い(またはカード決済可能な物件)には、以下のような利点があります。
| メリット | 内容 |
|---|---|
| 支出を先送りできる | 支払日をカード会社の請求日以降にできます。手元資金を温存できる。 |
| ポイント・マイルが貯まる | カード利用によるポイント還元・マイル獲得が見込める。 |
| 分割払いやリボ払いが使える可能性 | 一部の対応物件・カードでは分割払いやリボ払いにできる場合もある(ただし利息や手数料が発生する) |
| 初期費用の支払準備を柔軟にできる | 高額な初期費用をまとめて支払うのが難しい場合、カード払い・分割を使える物件を選べば負担のタイミング調整が可能 |
| キャッシュレス化・利便性 | 銀行振込・現金持参の手間を省ける |
ただし、メリットだけではなく、リスク・注意点も存在します。
クレジットカードで支払うデメリット
クレジットカード払いを利用する際には、以下のような点に注意しないとトラブル・費用負担が発生する可能性があります。
| デメリット | 内容 |
|---|---|
| 決済手数料を転嫁されることがある | カード決済可能な物件では、カード会社の手数料を入居者に転嫁して「収納手数料」を請求されることがあります。 |
| 分割払いやリボ払いの利息・手数料 | 仮に初期費用を分割・リボで払えるとしても、それには利息や手数料がかかることが多いです。これを加味すると、総支払額がかなり膨らむ可能性があります。 |
支払可能な項目が限定されることが多い
すべての項目がカード対応というわけではなく、以下のようなケースで制限されやすいです。
- 火災保険料・保証会社利用料などがカード不可、現金或いは別決済方法のみ
- 礼金や敷金が非対応になっている
- 契約書作成費・鍵交換費用・清掃料など一部費用は除外される
- 入居審査・契約手続きを理由にカード払いを認められないことがある
つまり、「カード払い可」とあっても、どの項目まで対応するかを確認しないと、「一部だけカード・残り現金で支払い」ということになる可能性があります。
クレジットカードで賃貸初期費用を支払う手順
賃貸契約時に発生する初期費用をクレジットカードで支払う場合には、事前の確認や準備が欠かせません。不動産会社や管理会社によって対応状況が異なるため、スムーズな契約を進めるためにも、以下の流れを押さえておきましょう。
不動産会社にクレジットカード決済の可否を確認する
最初のステップは、不動産会社がクレジットカード払いに対応しているかどうかを確認することです。
すべての賃貸物件がカード決済を受け付けているわけではなく、仲介会社が対応していても、物件のオーナーや管理会社が非対応の場合もあります。
そのため、物件を契約する前に「初期費用はクレジットカード払いできますか?」と必ず確認しておきましょう。もし対応していない場合は、他の物件を探すか、別の支払い方法を検討する必要があります。
利用できるカードブランドと支払い条件を確認する
クレジットカード決済が可能な場合でも、利用できるブランドや支払い方法が限定されていることがあります。
一般的には「VISA」「Mastercard」「JCB」などが対応していますが、
会社によっては「JCBは一括払いのみ」など制限を設けているケースもあります。
お持ちのカードが使えるかどうかを事前に確認し、必要であれば別ブランドのカードを準備しておくと安心です。
新しくカードを発行する場合は、審査から発行まで数日〜1週間程度かかるため、引越しスケジュールに余裕を持って手続きを進めましょう。
契約時にクレジットカードで支払いを行う
クレジットカード決済が可能であることを確認したら、契約当日に実際の支払い手続きを行います。
不動産会社によって手続き方法は異なりますが、店頭でカードを提示する方法のほか、オンライン決済システムを利用してクレジットカード情報を入力する形式も一般的です。
最近では、来店不要で支払いまで完了できる「オンライン契約システム」を導入している企業も増えています。
ただし、申込後に契約をキャンセルした場合、カード会社の規定により全額返金されない場合もあります。
支払い前にキャンセルポリシーを確認しておくことが重要です。
クレジットカードで賃貸初期費用を支払う際の注意点
賃貸契約時にクレジットカード払いを利用する場合、「便利」「ポイントが貯まる」といったメリットの裏に、いくつかの注意すべきポイントがあります。
特に、不動産会社やカード会社の規定によっては家賃の支払いが対象外だったり、手数料が発生することもあるため、契約前に確認しておくことが大切です。
初期費用はOKでも、家賃はカード払い非対応のケースもある
近年では、敷金・礼金・仲介手数料などの初期費用をクレジットカードで支払える物件も増えています。しかし、毎月の家賃まではクレジットカード払いに対応していないケースも少なくありません。
その理由として、不動産会社や管理会社がカード決済手数料の負担を避けるため、家賃のみ現金や口座振替に限定している場合があるためです。
また、たとえクレジットカード払いに対応していても、ポイント付与の対象外となるケースもあります。
利用するカード会社の規約を確認し、「家賃・不動産関連支払い」が還元対象に含まれているかを事前にチェックしておきましょう。